DIARY

ガレ ジャポニズム 植物文花瓶

 

不定期掲載A-Selectの時間です。今回は19世紀末に作られたガレの花瓶。初期に製作されていた、エナメル彩の作品です。高さは29.5センチ、横幅も17.5センチと大きなサイズ。

 

ガラス本体の製作方法は型ではなく吹上による形成のよう。「ガラスを作っているひとなら、このつくりってすごく複雑ってわかるわよ~。」とボスもうなり気味で眺めていました。ドラム型のボディの中心には手で触るとほんのりわかる、ぽこっとおへそのようなポンテ跡。ポンテ跡とは吹きガラスの吹き竿をくっつけていた跡のこと。モノによっては一見、傷のようにも見えるかもしれませんが(こちらの作品では傷のようには見えません。)吹きガラスの手仕事の証し。知っていれば、その跡にも愛着が湧いたりして。そんなムラムラっとした表情のあるガラスの表面にエナメル彩が施されています。

 

エナメル彩は融点の低い色ガラスを砕いて顔料を作り出し、これを油や松脂で練って絵の具のようにし、ガラスの表面に着彩して焼き付けていく技法。筆で描くので、絵画のように繊細な濃淡を表現したり、不透明の顔料を盛り上げて着彩し、油絵のように立体的にすることもできます。

 

下の梅の花弁の部分、縁取りは金彩、そして釉薬がぽてっと立体的なの、写真で伝わるでしょうか。梅に、菊のような花も描かれたジャポニズム。写真を撮るのにクルクル回して全体を眺めながら、この柄は写真を見て描いたのかな?それとも浮世絵を見て描いたのかな?なんて想像しました。私はゴッホが広重の浮世絵を模写して描いた《花咲く梅の木》という絵が好きで、部屋にポストカードを貼っているのですが、ヨーロッパの人たちは動植物からでさえ異国情緒を感じ取っていたのかなぁ。。

 

因みにガレには植物学者の一面も。広大な庭では3000種の植物を育てていたそう、その中には日本の植物もあったようです。この花瓶の中で飛ぶ蝶は実際ガレの庭にいたのかも!もともと自然への造詣が深かったガレが、日本美術に特徴的な「花鳥風月」「草木」「昆虫」といったモチーフを自身の作品に写しとり、この作品が出来上がった?なーんてことを考えながら、改めて花瓶を堪能してみると、さらに楽しい時間が過ごせそうです。

 

 

 

 

 

 

 

今回もA-Selectならではのうれしい価格でご紹介です。エミール・ガレのエナメル絵付けの花瓶はこちらから

 

 

158-0095

東京都世田谷区瀬田1-12-32
電話:03-3709-2341
e-mail:cjs@bellecapri.com
二子玉川駅より徒歩5分。

12:00-19::00
日・月・木・祝日 休み

ヴィンテージ トリファリ ミリアムハスケルが充実 
ベルカプリオンラインショップ