
朝晩の涼しい風に少し体が楽になったのを感じます。9月最後のA-selectはシュナイダーの花器を選びました。このポピーのデザインは以前ランプを扱ったことがあるので見たことのある柄と思われる方もいらっしゃるのでは。今回は花瓶ですが灯りを入れて照明のようにしてみました。厚い色ガラスに灯る優しい灯りでシュナイダーの美しいエッチングのパターンがはっきりと浮かび上がります。
1923-26年 Schneider / Le Verre Francais(France) 高さ:27㎝ 口径:9.7㎝





製作技法はエッチング。フッ化水素と硫酸の混合液でガラスを腐食させ模様を浮かび上がらせています。腐食され現れた黄色いガラスの部分はすりガラスのようなマットな風合い。その黄色も単調ではなく花瓶の上から眺めると、ガラスを吹き回転させ作ったのが分かる、渦を巻くような色の流れが見られます。


エッチング技法は一般的には腐食後窯で軽く焼き溶かし腐食部分のガラスの角をとるのですが、シュナイダーの作品はその作業がされていません。それにより腐食部分と残されたガラスの境界がザクっと切り取ったように荒く、シャープに残っています。




季節の花を添えたり、灯りをいれてみたり、お気に入りの空間づくりを楽しんでください。(照明用の器具をご希望の場合はご相談ください。)
A-select シュナイダーの花瓶はこちらをクリックしてご覧ください。
「Schneider / Le Verre Francais 」 |
エルンスト・シュナイダーとシャルル・シュナイダーは1913年ガラス工場を設立し、ル・ヴェール・フランセのトレイドマークでグラス類、照明器具、花器など幅広い製品を製造しました。デザインは弟が担当し、形はシンプルで色調の変化や気泡の混入で特色を出しています。多くの作品を制作しましたが、後期まで型ガラスなどの大量生産を嫌ったため一つ一つの表情が違います。
世界恐慌の煽りで1938年工房は閉鎖されました。
サインはSchneider・Le Verre Francais・Charderなど様々あります。
