DIARY

A-select シュナイダーのガラス器

今回のA-selectはSchneider。

普段お店で見る色の印象は全体的にオレンジですが、明るい自然光の元で見ると背景のガラスの色は半透明のベージュへ変化。置いた場所、当たった光り、時間で随分表情が変わります。

被せガラスにエッチング(酸化腐食彫り)技法で製作されています。

シュナイダーの作品をまとめた本には同じデザインの花瓶が掲載されていました。(下写真左)

A-selectシュナイダーのガラス器はこちらからご覧ください。

今回の掲載にあたり驚いたことが一つありました。実は今回の作品、シュナイダーのものなのにぐるぐる回してもひっくり返しても見慣れたシュナイダーのサインが入っていません。「へんねぇ。」と話しながらもまずは写真を撮影し、サインはあとでもう一度ゆっくり探そうということに。

そして撮影が終わり同じシリーズの作品が掲載されていないかとシュナイダーの書籍を見ていると歴代のサインをまとめたページに衝撃的な写真が一枚(下写真左上)。1918年のサインが「Schneider」の文字ではなくネジネジと白地に赤と青のシマシマの棒!!!

実は前日に今回のガラスの手入れをしていたボス。「窯傷かしら?」と指でこする先を「どれですか?」とよーく見てみると傷ではなさそう。白にシマシマガラス片らしきものが埋まっていました。「ガラスを吹いてそれを置いた場所に偶然落ちていたレース棒のかけらがくっついちゃったんですかね?」なんて話していたあの棒、約5ミリの小さな欠片はなんとなんとシュナイダーの最初期のサインだったのです。ほんとうに驚きでした。もしや赤青のシマシマはフランスの証しかな?

「Schneider / Le Verre Francais 」

エルンスト・シュナイダーとシャルル・シュナイダーは1913年ガラス工場を設立し、ル・ヴェール・フランセのトレイドマークでグラス類、照明器具、花器など幅広い製品を製造しました。デザインは弟が担当し、形はシンプルで色調の変化や気泡の混入で特色を出しています。多くの作品を制作しましたが、後期まで型ガラスなどの大量生産を嫌ったため一つ一つの表情が違います。
世界恐慌の煽りで1938年工房は閉鎖されました。
サインはSchneider・Le Verre Francais・Charderなど様々あります。