DIARY

名もなきもの。

このトレーの上は私の気に入っているものたちが並んでいます。

黒人の水兵さんは手書きの表情にとても愛嬌があり、ピンをつける向きによってまっすぐ立ったり、お辞儀をしたりの仕掛も楽しいブローチです。

そしてこの兵隊さんのブローチ。セルロイドでできた1940年代前後のブローチですが、黒に渋めのグリーンの彩色がとてもおしゃれです。奥に向かって兵隊さんが小さくなる遠近法なデザインもいいなと思っています。同じ大きさの兵隊さんが並んでいるより、なんだか勢いがあるような、行進しているぞっていう感じがするようで、見ようによってはプロパガンダポスターなんかにも登場しそうなデザインなんて言っちゃうとちょっと怖いかな。

そしてベークライトの魚のブローチ。魚ですがどことなく人間ぽい顔をしていて、誰かの様子を伺っているような、気弱そうな顔が気に入っています。目はグラスアイ、ボディは木とベークライトの二枚仕立て。2枚仕立てのものはしっかりとした厚みも出るし、彫刻の具合で色が2色の部分があったり、デザインに立体感が出ます。

上のトレーのモノには特にブランドなどはなく、私はよく「特にブランドものではないんですが、いいものなんですよ~」なんてもごもご伝えたりします。

この前何処かのお店のページで気になるオブジェを見つけましたがちょっと高額。しばらく眺めていました。すると私と同じくそれに興味を持った方がお店の方に「アンティークですか?作家モノですか?」と質問されていました。それに対しお店の方は「アノニマスの作品です。」と回答。

私はその言葉をよく知らずアノニマスってなに?と思いましたが言葉自体は「匿名の、作者不明の」という意味。以前古道具屋さんをしていた知り合いに聞くと、古いものを扱う方の間では結構一般的な言葉のようで、その方はアノニマスにブランドもの以上の価値を見出し、探し求めていたし、お客様のもとに送り出すときは「もう出会えぬ貴重な品~」と別れのつらさもひとしおだったようです。「これはアノニマスです。」と伝えることで、アノニマスという物自体の価値を理解している人からすれば「ほほー、アノニマスならもう出会えぬ逸品。」とすっと腑に落ちたり、ブランドのない「なもなきモノ」自体の価値を高める印となるのかな。

自分の興味のあることだけで見てぼーっと過ごしていると、知らないこと、知らない言葉ばかりになってしまうなーと反省しました。とはいえ、私がこれからお店のものに対して「これはアノニマスで。」とはまだちょっと気恥ずかしくて言えなそうです(汗)

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