
1800年代の終わりに製作されたMeyr’s Neffe のワイングラスです。重厚なクリスタルに繊細で可憐な鈴蘭の図柄の彫刻。ステムにも細かくカットが入っているので、見た目に美しいだけではなく持ちやすい形状になっています。フットにも鈴蘭のリースがぐるりと施され、手の込んだ上等なグラスである事は一目瞭然です。全て手作業で制作されているため一客一客微妙な違いがあります。




Meyr’s NeffeはJosef Meyrが1816年にボヘミアのヴィンターベルク近郊アドルフで創業したヨーロッパでも最古のガラス工房のひとつでした。Josef Meyrの死後1841年から1922年まではMeyr’s Neffeとして営業を続けます。19世紀末から20世紀初頭のアール・ヌーヴォー期には、金彩や透明感のあるエナメル彩で装飾されたガラス製品を作っており「Meyr’s Neffe 」で画像検索をすると今回紹介したシャープな印象のクリスタルグラスではなくエナメル絵付けがされた柔らかなデザインのものばかりが登場します。

今回のグラスとあまりに雰囲気の違う上の写真を見て「このワイングラスはMeyr’s Neffe のもの?」とちょっと不安に。そこでさらに調べてみるとMoser社のMaharaniというシリーズが今回紹介するグラスととても似ていることが分かりました(下の写真)。グラスの形もカットの仕方も瓜二つ。

もしかしてMoserのグラスなの?とまた疑問が。そこでMoser社のMaharaniの紹介ページを読み進めるとモヤモヤが晴れました。MoserのMaharaniシリーズは1922年に買収したMeyr’s Neffe のグラスをもとに作られたものだそうです。つまり今回紹介のグラスはMoserがMaharaniシリーズを製作するにあたり参考にしたオリジナルのグラス。
下のリンクはモーゼル社がMaharaniシリーズの製作について紹介したページです。(英語の文章ですが自動翻訳をかけて日本語でも読んでいただけます)
Maharaniの製作には15の工程に対し30人の専門の職人が携わっており、どれほど手をかけて製作する特別なシリーズであるかが分かります。


前置きが長くなりましたが、再度グラスを見てみるとMoserのMaharaniシリーズよりカットが深く、彫刻も繊細で更に美しいと感じました。久しぶりのA-select、今回も美しいものが紹介出来、嬉しい気持ちです。
高さ:20cm (口径10センチ) Meyr’s Neffe c.1900年代
A-select Meyr’s Neffeのワイングラスはこちら。 販売は1客ずつ計6客あります。





【Meyr’s Neffe】は1840年代からモーゼル地方で操業していたガラス工房です。Lobmeyrと提携し1873年のウィーン万博や1900年のパリ万博にも出品するなど美しく芸術性の高い作品を制作していましたが、1922年買収されMeyr’s Neffeという名前は消滅しました。