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パリを訪れたとき、早朝の蚤の市のテントの下で埃をかぶって塊で置かれているのを見つけたときの楽しい気持ち。もう30年以上前のことです。
一つ一つデザインの違うナイフレスト。きょとんとした顔をした動物、ずる賢そうな顔をした動物、寡黙な表情、苦しそうな表情の動物。「うさぎと亀」など見てすぐストーリーが分かるものもある通り、イソップ物語をモチーフにしています。そして、彫られたサインにはBenjamin Rabierと書かれていました。
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ベンジャミンラビエ(Benjamin Rabier1864-1939)はフランスのイラストレーター。動物漫画の先駆者で数々の作品を残し、今も食料品店で見かけるチーズ「ベルキューブ」の牛のイラストはなじみがあるかもしれません。
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ナイフレストはそんなラビエの活躍した1920年代、アールデコの時代に作られたフランス製のものです。
絵柄を見ただけではストーリーの分からない、馴染みのないデザインが多かったので興味本位でそれぞれの元となる話を調べてみましたが、結末はどれも「あ、あきらめの境地。」というようなものが多かったです。
イソップ物語のもとは一般民衆の生活を基盤に書かれた古代ギリシャの寓話集だそうで、冷めた目で描かれた人間生活が見て取れるそうです。なんとなく納得。ぜひ興味があればそれぞれのお話も探してみてください。
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