DIARY

A-selectクラッケルガラスの花瓶

明日から6日までベルカプリはお休みをいただきます。というわけでいつも週末に掲載するA-selectを前倒しで準備しました。気持ちのよい初夏の明るい日差しを浴び撮影したMoserのクラッケルガラスの花瓶、第2段の登場です。

今回は珍しくお魚ではなくザリガニが描かれています。草陰からひょっこり顔を出したザリガニのその大きな爪の先を辿るとピンク色の花。前回のクラッケルの花瓶に続き麗らかな景色が広がります。

全体的に柔らかなエナメルの色調。ザリガニの部分はベージュ色のエナメルをベースに黒とコーラル色で彩色され、目の部分にはチョンと黒いガラスが盛ってあり、さらに瞳の輝きを描写。丁寧な描き込みに嬉しくなります。

【クラッケルガラス】熱いガラスを冷水に浸すことで表面にひび割れ模様を生じさせ再度焼成しその模様を残す技法。16世紀のヴェネチアで発明されました。表面だけにひびを入れ内部は壊れないようにする絶妙なタイミングと温度管理が必要で熟練の職人の手により製作されました。

1900年代 Moser (チェコ) 高さ:12.5㎝ 幅:7.5㎝ 口径:7.5㎝

【MOSER】モーゼル社は1857年に現在のチェコに設立され、1870年代にウィーンの王室御用達ガラス工場に指定された高い技術を誇る工房です。このモーゼル社も19世紀末からクラッケルグラスを制作し高く評価されました。20世紀になると様々な色ガラスにクラッケル処理を施し美しいエナメルで自然界を描いたガラス製品を世に送り出しました。

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