DIARY

古いウサギのネックレス

ぱっと日が差したり、スコールのようにザーザー降ったりと慌ただしい天気の火曜日でした。やっと雨は小降りになって外からアブラゼミの声が聞こえています。

 並んだそれぞれのパーツの作りの細かさ、手のかけ具合を想像し仕入れたおそらくメキシコ製のネックレスです。

白いウサギが心を引く静かな表情をしているように見えました。細かく描かれたまつ毛、まん丸ではなく目頭目じりが描かれたアーモンド形の目。普通の「うさぎモチーフ」にはない描き方では?そしてほわっと柔らかな耳の中のピンクのグラデーションが綺麗です。

耳の部分だけ薄い金属で作られているようですっとした形が出来上がっています。耳以外の部分は木彫もしくは体の芯を作りそこに前足後ろ足、しっぽの軸をたて粘土などで肉付けでしょうか。リアル過ぎないデフォルメが雰囲気よく、経年によるくすみ具合でさらに味わいを深めています。横の姿ばかり眺めていたのですが正面から顔を見ると実はちょっとオジサンっぽくて驚きました。

足の部分に一度折れてしまったのか修復跡があります。あまり目立たないように思いますが下の写真でご確認ください。

更にそれぞれの部品を見ていきます。

たくさんつけられた籠たち。なんとすべて編んで作られています。なんという指技だろう!と驚いてしまう細い作業。もし自分だったらこの籠を一個編むだけですごいことを成し遂げたという気分になりそうですが。きっとちゃっちゃちゃっちゃと編まれたのでしょう。かごの大きさは持ち手含み2センチ弱。

左右2本並ぶ筒状の白いガラスのビースを見てみます。

長さ4㎝、直径1.5センチのかなり立派なトンボ玉。表面に見える模様。よくよく見てみると色とりどりのガラスの粒が埋まっています。白い筒状のトンボ玉がアツアツの状態の時に撒いておいたガラス粉の上にコロコロして作ったもののようです。赤、青、緑、茶、ミントグリーン、紺、本当に色とりどり!

その他アクセントになっている青いサークル型のガラスや小さな蕪の形のガラスビーズ、葉っぱのモチーフを2枚最中のように合わせた銀製のビーズも並んでいます。

着けたとき、パーツが擦れて発する音も着用感もうるさく感じることはありませんでした。胸にのるほどよい重みがちょうどよく落ち着きます。ウサギを真下に持ってくると「うさぎのネックレスを着けているぞ。」という感じになるのでちょっとウサギを横にずらしてつけるのもおすすめです。

素朴な風合いの中にちりばめられた手仕事たちを味わえるネックレス。このネックレスとの出会いは一度きりだなと思い今回に細部にわたり紹介しブログに載せることにしました。

1950’s-1960’s Mexico 67㎝