DIARY

久しぶりにジュエリーの紹介を。コスチュームジュエリーとは少しジャンルが違いますが、イギリスで仕入れたターコイズのネックレス、イヤリング、ドレスクリップのセットです。詳しい年代は不明ですが中国がヨーロッパ向けに作っていたものだそうです。

それぞれに「足銀」「CHINA」との刻印がありますが「足銀」は純度の高い銀のことのようです。ただ全体的にアンティークゴールド色をしています。メッキがかかっているようには見えないので経年による色の変化なのか、意図的なものなのかはわかりませんが、シルバーは酸化すると黒くなるのですが、全体的に落ち着いた金色で、銀の割り金(わりがね)の種類によってこのような色味になっているのかもしれません。詳しくはわからずです。

金属の細工は銀線細工(フィリグリー)という技法が使われており、繊細でアンティークジュエリーのような雰囲気。ちなみにフィリグリーという技法は糸のように細くした銀線を巻いたりしながら模様を作り形にしていく技法で、機械ではできない繊細な技術です。このセットの細工部分をよく見てみると線を巻いたりするだけでなく編み込んでいたりとその細かさはルーペで見ないと見えてこない細かさです。びっくり!


↑ルーペで覗いた世界。チェーン部分も細い糸のような銀を2本を綯ってそれをぐるぐるとまいて一つのチェーンの駒を作っているようです。またまたびっくり!

素肌にも、お洋服の上からでもきれいです。イヤリングは大振りですが軽く、一日着けていても煩わしさや痛くなったりがありませんでした。ネックレスもちょっと長めで落ち着いた印象です。

これからはちょっと余談です。

銀線細工のジュエリーは世界各地で作られていますが、マルタに行ったとき、カラヴァッジョの有名な絵がある教会ヨハネ准司教座聖堂のそばに立ち並ぶマルタフィリグリーのお店の中の一軒のおじさんに銀線細工を作ってるところを見せてもらったのを思い出しました。工房にはたくさんの古い工具と銀線。工具は先代のお父さんが使っていたものを受け継いでずっと使っているそうです。見せてくれた商品のレシピ―ノートにはこの長さに銀線を切って巻けばこの形になるという感じでお花やちょうちょ、一番有名なマルタ十字のデザインまでたくさん書き込まれていて「これもお父さんからの。」と教えてくれました。

今回ご紹介のセットは国は違えど同じような工程で手作業で作られたもの。ぜひご覧になってみてください。

マルタはとっても海がきれいで気持ちの良い場所。ホームステイ先のお母さんが毎日お昼にサンドイッチとリンゴを持たせてくれるのですが海岸でリンゴをかじりながらフィリグリー工房のおじさんのお昼休みの時間を待ちました。マルタは猫が多いのも有名。海のそばでたくさん見ました。お家の近くのペット用品店の壁の大きな猫の絵がうちの猫に似ていてお気に入りだったのも思い出しました。余談ばっかりのブログでした。ではでは。