梅雨明けした晴天の窓際に綺麗に磨いたガラスのブルーが美しかった午後。今週のA-selectの撮影をしました。

アールデコ期のクリスタルカットガラス、service de toiletteと呼ばれる身だしなみを整える道具を納めるSaint-Louisのセットです。ちなみに1940年代以前のSaint-Louis(サンルイ)にはサインがないため確実な真偽は不明ですがアールデコ期の美しいガラス器として自信をもってご紹介。
【Saint-Louis】サンルイは1586年創業、フランス最古のクリスタルガラス工房で、ルイ15世により「ロワイヤル(王立)ガラス工房」として正式に認定されました。現在も営業を続けており1989年にエルメスが買収。日本では直営店以外ではエルメスの店舗でその作品が取り扱われています。

service de toilette(サーヴィス・ド・トワレット)は17世紀から19世紀にかけてヨーロッパで使われていた上流階級向けの化粧・身だしなみを整えるの道具一式を指す言葉。使われていた国や時代、使う人の階級によってその豪華さ、アイテムは様々だったようです。素材もガラスだけではなく陶磁器(セーブルやマイセン)、セルロイド製のものもありました。
今回のセットは大小の香水瓶、蓋つきのパウダーボックス、リングスタンド、ブラシ置きと思われる長方形のトレー、小さなオーバル型の小物入れ、グラスのような形状のガラス器の7点で構成されています。
フルセットだと少しボリュームがあるので今回使い勝手を思い2セットに分けてご紹介することにしました。まずは香水瓶2点とリングスタンド、小物入れの4点セットです。

香水瓶は蓋の部分の三角の彫刻がアクセント。こちらは一輪挿しに使ったり、先日ブログ(香水瓶の使い方)に書いたようにルームフレグランス入れにも出来そうです。



蓋の裏に数字の彫りがありました。
リングスタンド、小物入れは便利そうです。ネックレスやイヤリング、ピンや薬?ちょっと置いておいて美しい器たち。




経年により底の部分に擦り傷があります。(下の写真は傷を見やすくするために明るめに撮影しました。)




ボトル大:H 15×W8㎝ 小:H12×W6㎝ 小物入れ:11.5×8.5×H4.3㎝ リングスタンド:8×9.3㎝
次に長方形のトレー、蓋物、グラス状のガラス器の3点セット。

22センチと大きな長方形のトレー。しっかりとした大きなサイズなのでこちらもいろいろな使い方が出来そう。ドレッサーの上で櫛やブラシのほかにジュエリーをいれたり、白いクロスを敷いてカトラリー入れにも。清潔感があり綺麗です。底の部分に経年による擦り傷があります。




香水瓶とお揃いのつまみがアクセントの蓋物です。お化粧道具としてコットンをいれたり、夏のテーブルの上にあれば涼し気なのでお菓子を入れるのもおすすめ。今年の酷暑には熱中症対策で塩飴かな。


あまり目立ちませんが、口の部分にチップがあります(下写真)。撮影中「梅干しとか入れたいかも!」と思いましたが、当時のクリスタルガラスには鉛が含まれています。焼成された安定した素材のガラスで安全ですが、食品との長時間接触や摩耗で微量の鉛が溶け出す可能性はゼロではないそうです。塩分の強いもの、高温のもの、長期に食材を保存するのには向いていません。

最後に口が少し細くなったグラス状のガラス器です。service de toiletteには口すすぎ、水を飲むためのグラスが用意されることがあったのでグラスなのかもしれませんが本来の用途は分かりません。ドレッサーでは綿棒をいれたり、フェイスブラシ類を立てたりも出来そう。色鮮やかなブルーが綺麗なので日の当たる場所に置いておきたくなります。花瓶としての使用もアリかも。




蓋物:H10.5×W9㎝ トレイ:H4.3×W22㎝ グラス:H9.6㎝×W6.2㎝
アイテム数が多く今日は長いブログとなりました。涼しげな写真が並ぶのでどうぞ引き続きご覧になってみてください。
A-select Saint-Louisのservice de toiletteはこちらをクリックしてご覧ください。



