DIARY

ベークライト黒い鳥のブローチ

蔦に覆われ視界は一面緑、居心地の良い作業机で久しぶりの作業です。

メンテナンスをお願いしていた黒いベークライトの鳥が美しくなって帰ってきました。羽を広げた姿、表情、どこをとっても素敵なブローチの復活です。せっかくの面白いデザインもわずかでも破損個所があるとその部分にばかり目が行き魅力が半減してしまうので完璧な状態で帰って来たことに大感動。

そして今度は私の出番。ブローチピン部分のメンテナンスです。このブローチがつくられたのは1940年代。今から約80年前のもの。というわけで元々ついていたブローチピンの劣化が目立ちました。これからまた安心して長く使っていただけるように交換作業をします。

ここでうっかり、最初の写真を撮らずにブローチピンをはずしてしまいました。ですので写真は元あったブローチピンを外した状態 ↑。ベースの木に嵌めこんであった金具を抜いたので大きな穴が2つ。このまま新しいブローチピンをつけるとかっこ悪いので穴を埋めることにしました。

ぐいぐいと穴に木の串を差し込んで、ベースすれすれのところで糸鋸で切断。串の色がベースの木の色より白いのでステインワックスを塗って色の調子を整えました。

そして元ついていたピンと同じ長さのブローチピンをしっかりねじ止めします。ドリルを使ってネジを差し込む部分に穴をあけます。使うネジの長さと木のベースが大体同じなので慎重に穴あけ。無理に穴をあけて下のベークライトが破損したら大変なのでちょっとづつ。

次は空いた穴に慎重にネジを留めていきます。ねじを巻いてみて、深さが足りない部分はまたドリルで穴を開けての繰り返しで様子を見ながら。ねじが根元まで巻けました。↓

さてさて、ここからがちょっとこだわりの作業。ただネジを留めるとブローチ金具の上にネジの頭が乗った状態。段差が見られます。巻いたネジを一度外して、ブローチ金具にネジの頭が埋まって段差がなくなるようにスチールバーで削ります。

ビフォー↓

アフター↓

ネジの頭が埋まるように金具が削れたので、再度ブローチピンをねじ止め。ブローチ金具とネジの段差がなくなり気持ちがいいです(自己満足!)。↓

完成でーす!